女性はキャリアをどう切り拓いていくか

今日は、最近よく考えることが多かった、女性がどういうふうにキャリアを作っていくのがよいか、について思うことを書いてみようと思います。

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「どっちに進んでいけばいいかわからない」「どうしたら認められるのか」「何かできると思っているのに、正直大したことができなくて焦る」「いつ結婚すればいいのか」「いつ出産すればいいのか」「頑張ってるのにどこにもたどり着けない」「若いオンナだと誰にも重視されない・本気にされない」「チヤホヤされても今だけ」みたいな気持ちの若い女性向けです。なぜなら、私も30歳を過ぎて何年か経つまで多かれ少なかれこのような気持ちを持ったことがあったからです。

女性ならではの制約条件:妊娠出産

女性が働く上で、男性と大きく違うなと思うことは、2つあります。

1つは結婚・妊娠・出産・子育てと、生き方が大きく変わる段階がキャリアを作る時期に重なってくること。子どもを生み育てるということは、自分よりも優先するものができることでもあるから仕事だけに集中するというわけにもいかないし、さらに、その時期自体は明確に決まっているわけではない。それなのに、妊娠出産ができるタイムリミットだけはある。いつか子どもを産みたいと思ったときに、「一体いつがよいのか」というのは、本当に多くの人が悩む問題ですし、いつ産んだとしても、「そうでなかった別の道」を想像して、うっすらと後悔をしたりするのかもしれません。

「若い女子枠」チヤホヤ問題

もう1つは、若い女性はそれだけでチヤホヤされるということです。また、悪気はないけれど、女性に仕事を任せきれない男性マネージャーというのも結構います。これはいずれにしても、キャリアに大きく影響してきます。

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このチヤホヤ問題は、結構深刻です。若い女性というだけでクライアントのオジサンに好まれやすい傾向があるので、そのために「若い女子枠」でアサインされる仕事があったり、ニコニコ笑ってるだけで話を聞いてくれる人もいたり、なんというかよくも悪くも機会は多いのです。いい意味でのチャンスももちろんあります。

ただ、残念ですがこの「若い女子枠」は期間限定で必ず終わりがきます。ですから、「若い女子枠」に甘んじて、ニコニコお酌だけしてたらダメです。(お酌をキャリアにしたかったらもちろんそれでもいいです)たまに見かけて辛い気持ちになるのが、「若い女子枠」のまま、本気で目の前の仕事に取り組むことなく、妙齢を迎えてしまった女性。ある意味、ちゃんと仕事をしなくても許されてしまったりするんです、この「若い女子枠」。あと気づかないうちに周りに手加減されてしまってたりもします。でももちろん、仕事をしないと仕事の力は身につきません。女性部下に遠慮し気を遣って厳しく言えない男性上司も意外といます。でもこれ、本当にチャンスロスなのです。特に美人さんは要注意ですよ!

だから、逆に、遠慮せずに仕事をガンガン振ってくれる上司の下についた女性は、ラッキーです。きっとその方は、大きな器で人を育てられる人なのでしょう。その人に鍛えられて強くなりましょう。

キャリアは計画通りにはいかない

そんな制約条件に縛られる女性たちは、いつどこに向かって何を頑張れば、自分の幸せを得られるのか、男性よりも割と早い段階で考えます。就活、婚活、妊活、保活。どれもなかなか大変です。もちろん仕事もしたいです。

でも、配属も異動も昇進も、転職も、結婚も妊娠も、自分の思い通りにいくことってあまりありません。もちろん一定の希望は持つのですが、全然予定通りに行かない!30歳までには結婚しようと思ってたのに、早く子どもが欲しいのに。

先日ニュースで、保育園の園長が、保育士の妊娠の順番を決める、なんて馬鹿げた話がありましたが、命はそんなに計画的なものではありません。文字通り授かるものですから。

年齢が上がるほどに妊娠が難しくなるのは事実ですし、高齢出産ほど障害を持って生まれる確率は上がるし、また親として体力的にもきつくなっていきます。確かに出産は早いにこしたことはありませんが、でも、とはいえ私は「赤ちゃんがやってきたときが生み時」だと思います。(もちろん家庭や経済的な事情で、実際にはやってきても産めないときもあるとは思いますが)

赤ちゃんは授かりものです。準備ができたときにやってくるのでしょう。(それは自分が考える「準備が整ったとき」ではなく、神様の目から見て、「そろそろ赤ちゃんと出会うとき」なのかもしれません)

また赤ちゃんに限らず、「自分の元にやってきた仕事は、チャンス」とも。自分に訪れる出来事は、大切な機会です。ですから、チャンスを思い切り生きればよいのです。

計画はしてもこだわり過ぎないこと。機会を柔軟に活かして、計画を変更していくしなやかさが大切です。

今必死で取り組んでいることは、次の仕事の糧になる

ちなみに、私も、自分のキャリアの方向性はこっちだな、こういうことはできるな、と思えるようになるまでに、結構時間がかかった方だと思います。若いIT企業なら早ければ20代でマネージャーに昇進し、バリバリ仕事をする人も多いと思いますが、私自身の20代は、必死で寝ずに働いているのにパッとせず、異業種転職でそのたびにゼロスタート、そして、やっとこっちの方だなと思ったころに妊娠し、産休・育休を経て戻ってみたら、環境がすっかり変わっていて…と、なんだか全然思うとおりに行かない20代〜でした。

自分にはきっと何かできるはず、と思うのに、何者でもない自分に、本当に焦りました。なまじ、学生時代は田舎の期待の星(苦笑)みたいな真面目な優等生だったこともあり、プライドも高く、どうにか人に評価されたいと思うのに、一体どちらに向かっているのかもわからないし、ちっとも自信も持てないし、なんだか辛かったです。

でも、振り返ってみると、その時は失敗や遠回りだと思ったことも、みんな糧になっていたのだということです。迷走していた時期に、師匠となる先輩・上司に何人も出会ったし、この方のためにお役に立ちたいと思うクライアントにも出会ったし、新しい発見、学び、そして、成果を出す喜び、みたいなものがありました。

また、新卒での編集経験と自身の子育てが、後の子育てWEBメディアと、ヘルスケアWEBメディアの編集という仕事につながりました。当時珍しかったIT企業で働くママとしての奮闘が、女性活躍推進の波に乗って経験をシェアする機会にも恵まれました。

船井総研で学んだマーケティングの基本が、その後様々な事業に携わる上での考え方の基礎になりました。DeNAでの仕事の進め方やチームワークが、みんなで仕事をするコツや楽しみ方のベースになりました。

目の前の仕事を、納得のいくかたちにする

振れ幅の大きいキャリアだったからこそ、多くの視点を身につけられました。今振り返ると、穴があったら入りたいぐらい恥ずかしい失敗もありますが、でもこんな私に機会をくれた方がいらっしゃって、その方々のおかげで、1つ1つの仕事に取り組み、できることがコツコツと増えていきました。

だから、大切なことは今目の前にある仕事をないがしろにしないこと。誰が見ていてもいなくても、自分の中で納得のいく仕事の仕方をすること。自分の頭で考えること。

それから明確なオーダーをくれる、仕事をくれる人に、応えること。オーダーの本質を見つめ、それを達成すること。

そうすることで自分なりの技術や経験、考えが育っていくのだと思います。そして、結果的に道が開けていきます。

肝心なことは、きちんと自分の頭で考えることです。受け身になってはいけません。鵜呑みにしてもいけません。「どうすればよいか?」を常に考え、もちろん人に相談したり、先輩の姿を参考にしたり、ライバルの振る舞いを参考にしたり、同僚と協力したりしながら、自分で道を切り開いていく。

唯一絶対の解はありません。

そして、誰にでも必ずチャンスはきます。だから、チャンスが訪れたとき、「これだ!」と思ったらしっかりつかむことです。遠慮をしてはいけません。自分の人生をよくするのは自分しかいません。

自分の毎日の選択が、大きな人生の流れを作っている

「一体自分が何をすればいいかわからない」「何をやりたいかわからない」という悩みを持つ人は、結構多い気がします。私も異業種転職を繰り返し、その選択を失敗だとは思わないけれど、説明がつかないと思っていました。

でも、振り返ってみると、バラバラに見える人生で起こる1つ1つの出来事は、1つの大きな流れに乗っています。深海の海流のように、よく見えなくても深くゆっくりとした流れがあるのです。その流れを形成するのは、自分の選択です。自分のものの見方や大切にしていること、それが1本の道を作っているのです。

そして、成功しているように見える人も含め、生きている誰もが、その道の半ばにいるのではないかと思います。

10代の時は、20歳を越えれば安定した大人になれると思っていました。20代の頃は30代には落ち着いた大人になっているのだろうと思っていました。30代の半ばを過ぎてもなおやっぱりまだまだ何も完成していません。これから何があるのかどちらに向かっているのか、わかりません。確信を持って目標へ向かっている人はごく一握りで、今から何があるか、何をするのかは、誰にもわからないんです。

でも、少しずつ人生の目的へと向かっているのだと思います。毎日決めて、進めばいいのです。

仕事、楽しんでいますか

行き先の見えない毎日を、不安に思う必要はありません。よく見えないのが未来というものの性質です。大切なことは今の自分の気持ちです。

楽しんでますか。充実感を持てますか。

共に働く仲間がいますか。尊敬できる人がいますか。

小さくても毎日何か誰かの喜びにつながることができていますか。

仕事というのは、それ自体がもっとも大きな報酬だと私は思います。

人からの評価も大切です。もちろんお給料も大切です。でも、もっとも大切なことは仕事を楽しみ、仕事を創っていく喜びを得ることです。そしてそれが誰かに喜ばれる醍醐味を味わうことです。もちろん最初から大きな仕事を任せてもらえるわけではないですが、小さな仕事でも喜びを築いていくことはできるはずです。

私、それ、できるかも!役に立てる!と思う仕事には積極的に手をあげましょう。そして覚悟を持って全力で結果を追求しましょう。

それがきっと、道を切り開いていくはずです。

死ぬぐらいなら逃げよう

最後に、電通の亡くなった女性のことも気になるので1つだけ。

耐えられないぐらい辛いなら、死にたいぐらい辛いなら、そこから逃げた方がいいです。仕事は命を犠牲にしてまでやるものではありません。

大切なのはまず生活、健康、その上に他者への貢献、すなわち仕事があります。

それと、辛さの尺度を他人と比較するのもやめた方がいいです。「あの人はあそこまでやってるのに、このぐらいで音をあげるなんて」といった比較は無意味です。

人が辛さや楽しさを感じる感性は、人それぞれなのですから。あなたが自分の心と体を見つめて、「ああもうやばい、無理だ」と思うなら、正々堂々とその環境から逃げ出しましょう。

失敗や挫折は人を臆病にします。だから真面目な人ほど「失敗できない」と思ってしまいます。でも、逃げるが勝ちという戦略だってあるのです。

勝てない戦で撤退するのは、立派な戦略なのです。

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