働くママの取扱説明書:子供を生んでから変わったこと

息子がコマなしで自転車に乗れるようになりました。
ランドセルを買いました。
鉛筆をもって字を書く練習をしています。
来年小学1年生になります。

ふと、随分大きくなったものだなぁと思います。

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振り返ると、やっぱり子供が0〜2歳ぐらいの時期が最も大変で、働くママとして悪戦苦闘した時期だったと感じます。

私が働きすぎると子供が熱を出し、子供に集中しすぎると仕事が滞り…と人並みですが、とはいえそのシーソーの間を行ったりきたりする期間は、きっと本当に大変だったんだなぁと思います。

イチバン大変だった時期のことは、なんだか記憶ももやの中のようで、もはやはっきり覚えていないぐらいなのですが、とはいえ、ふと「これはママリーマンの思考のクセだなぁ」と思う、「子供が生まれてから変わった働き方」が体に染み付いています。

ふとそのことに気づく機会があったので、ここでシェアしてみようと思います。

子供が生まれてから変わったこととは。

伸びるものに注力し、工数と価値の見合わない仕事は、無意識に圧縮する

子供が生まれる前よりも、圧倒的に仕事に使える時間が減ったこともあり、本当に「時間」に対する意識が敏感になりました。

仕事の時間が大量に取られそうな割に、あまり成果が見込めなさそうなことは、始まりそうな瞬間から敏感に察知して、なるべく「成果の出そうなことにフォーカスする」というクセがつきました。

これは、子供を持った人に限らず、自分の働く時間を超えるタスクに忙殺されたことがある人ならば、割と持っているスキルだと思うのですが、「あ、これはヤバい」「無駄に時間が取られそうだ」「なるべく成果の出そうなこれに寄せよう」とする傾向があります。

わかりやすい言葉にすると「生産性」とでもいうのでしょうか。

子供は全く親の仕事を考慮せずに泣くので、どうにかこうにか仕事を小さくコンパクトにしながら、一方で、「ちゃんと役に立たなきゃ」という気持ちも強いので、どこで価値を出そうかと試行錯誤します。

DeNAの同じく働くママさんが、“働くママが発揮すべきは「フルパワー」ではなく「フルバリュー」”と言っていて、いいタイトルだなぁと思ったのですが、まったく同感で、全力でやるんじゃなくて、価値をマックスに出せるようにする。大事なのは「価値があるかないか」「役に立てているか」。

キャリアの一時期にとにかくガムシャラにがんばらなきゃいけない時期があって、それは私自身の資産にもなったと思うし、そういうカルチャーで一体感を高める会社ももちろんあるとは思うのですが、「人より長く会社にいるか」「ともかく動いているか」「ともかく走っているか」「ともかくたくさんやったか」を問われるのは非常に辛い。今の自分は、そこで戦っても決して勝てないですから。

このことは、よくも悪くも、自分の仕事の枠を狭めるものではあると思うのですが、とはいえ、どんなに寝ないで仕事しても1日24時間しかないという「枠」があるのはすべての人に共通なので、それを小さく持っておくことも、悪くはないんじゃないかなと、今は思ったりもします。

ですから、逆にいうと時間を浪費する人が苦手です。無駄な会議も辛いです。もちろん全てが効率を優先して、進められるわけではないこともわかっているのですが、できれば非効率はなるべく圧縮していく方向へ改善したい。

また、船井総研時代の教えで「長所伸展」「伸びているものを伸ばす」といった考え方があるのですが、(これは非常に効率的な教えであったと思うのですが)おそらくそれも染み付いていて、人を育てる時も、事業を育てるときも「伸びているもの」「伸びそうなもの」に力を入れるし、また、DeNAでのマーケ時代に培ったCPA(1人獲得あたりのコスト、今はCPIということも多そう)をなるべく小さく、そして獲得数全体を大きくするための思考回路が頭に入っています。

事業の責任者だったときも、リソースもコストも限られた中での、ユーザー数の拡大目標が非常に高かったので、同じく「伸びないところに力を入れている暇はない」という根性が染み付いています。女性ばかりのチームで、なんとかみんなが辛くならないように、そしてユーザーに喜んでいただけるサービスを作るために必死でした。

そんな諸々の結果、たとえ小さくても誰かが喜ぶ価値のある部分を拡大することにフォーカスし、逆に誰からも大して喜ばれない部分には、やっぱり力を入れたくないのです。

というわけで、本気で働くママリーマンに対して、時間を潰すような仕事を与えるのは人手の活用法としてイマイチだし、労働時間を求めるのももちろんNG、むしろ、価値を出すことを求めてください。

ひとりの時間を愛している

子供が生まれてから、1人でランチに行くのが好きになりました。
何もなくお茶を飲んでる時間が幸せです。
美術館や映画館で、1人でぼんやり絵や映画の世界に浸れるなんて贅沢の極み!

人と過ごすのももちろん楽しいのですが、ひとりも嬉しいと思う。
これは働くママの特徴かもしれません。

なぜかというと、普段はいつも子どもを中心に誰かのことを気にしているから。

ちゃんとご飯食べたかな。寄り道せずにまっすぐ歩いてくれるかな。おもちゃ片付けたかな。気にかける存在があるのは幸せなことであるかもしれませんが、一方で誰のことも気にせず、気を使わず、たった1人の世界に、一旦休息できることって、本当に有難いことなのです。文字通り、有ることが難しい、の有難しなのです。

子供を愛しているし、他の人といる時間も楽しいけれど、たまには1人も幸せ、働くママってそんな感じです。

旦那様、たまには奥様にひとりの時間をプレゼントしてあげてください。そこは専業主婦も働くママも変わりません。思っている以上に喜ばれるかもしれませんよ。

ままならない人間関係もイヤイヤ期の子供よりマシだなと思うようになった

子育てをした人なら、多くの人が通る道なのだと思うのですが、2歳前後の子供というのは、ともかく頑固で動きません笑

(まあ、気の強い私と、さらに気の強い旦那との間の子ですから、我が家で最強に気が強い人間なのですが)

保育園の送り迎えに、10分の道を、もうそれこそ何時間もかけて連れていったこともありますし、ともかく「思い通りにならない!話しても通じない!」の連続です。

なので、思い通りにならない人間関係も「魔の2歳児」よりはマシだな、と思えるようになった、というのがある気がします。

もちろん、それでもイライラはしますし、忍耐力が試される場面は多くあると思いますが、それでも、相手が「何がイヤなのか」「どうしたいのか」を理解し、そして、言葉を尽くして、あの手この手でコミュニケーションをとる、という素養が以前より身についた気がします。まだまだですけどね。

 

というわけで、みんながみんな、私と同じ考えとは限りませんが、働くママを活用する際の取扱説明書的に、特徴をご紹介しました。

これからの人手不足の時代に、24時間働けます!という男性の獲得が難しくなるなかでは、ぜひ上手に働くママを活用してくださいませ。