人生を彩る家族との思い出に涙が止まらない『リメンバー・ミー』
映画の中にある、希望の光
死者が1日生者の世界へ戻って来るために必要なもの
記憶の中に生きる愛の思い出
♪リメンバー・ミー
お別れだけど
リメンバー・ミー
忘れないで
たとえ離れても心ひとつ
おまえを思い 歌うこの歌
リメンバー・ミー
遠く聞こえる
リメンバー・ミー
ギターの音色は
優しく見守り包み込む
また抱きしめるまで
リメンバー・ミー♪
▼『リメンバー・ミー』劇中主題歌動画
※注:下記の動画はネタバレが含まれるので、映画視聴後にご覧ください
JAPANESE - Remember me (Lullaby) w/S&T【リメンバー・ミー(藤木直人&中村優月)】 - YouTube
JAPANESE - Remember me (Reunion) w/S&T【リメンバー・ミー(石橋陽彩&大方斐紗子)】 - YouTube
▼サントラはこちら
主題を彩る鮮やかな世界観と目が離せないストーリー展開
ここまで話してきた主題が涙を誘うのはもちろんですが、一方でそのテーマを彩る世界観とストーリー展開も素晴らしい。
この映画のリー・アンクリッチ監督は、ピクサーの『モンスターズ・インク』や『トイ・ストーリー』シリーズ、『ファインディング・ニモ』などに編集技師〜監督として関わる、ザ・ピクサーマンという感じの経歴の持ち主。これまでのピクサーの流れを汲みつつも、子ども向けには表現が難しい「死者」の世界をうまく描いています。
私、『モンスターズ・インク』の扉がバーっと出てくるオープニング映像とか好きなんですが、本作のオープニングの切り絵でストーリーを見せる感じもとっても素敵。
ご先祖様を迎える死者の日も明るく色鮮やかで、また死者の世界も奥深く広く美しい。ガイコツがこんなにかわいいなんて!さらには死者の世界での歌もまた素敵。
さらには、予想をひっくり返されるストーリー展開も目が離せず、飽きさせずに一気に見せます。
▼楽しい雰囲気が垣間見える、海外の主題歌PV的な映像
(これは視聴前でも楽しめます!)
▼主題歌以外で最も盛り上がるデュオ『ウン・ポコ・ロコ』
映画の楽しい雰囲気が伝わってきます!
大切なことを改めて教えてくれる
人生で大切なことは、人によっていろいろあります。お金、趣味、仕事…でも最も普遍的で、人生の根本にあるものの1つは、家族との思い出なのかもしれません。
私自身の家族との思い出の1つには、父のシンガポール駐在時代の南国での暮らしが色鮮やかに残っています。咲き乱れる蘭の花、飼っていた熱帯魚、日に焼けた現地の人たちと、桟橋でワタリガニを大量に釣ってチリクラブにしたこと。住んでいたマンションのプールサイドで食べたフライドポテトがうまかったこと。小学校に通ったバス。海外暮らしのときは、比較的家族で過ごす時間が長かったのでしょう。
一方自分の夫と子どもとの思い出。息子が生まれた日、朝の3時から陣痛が始まったこと。夜泣きがひどくて、抱っこ紐に息子を入れて早朝近所を歩き回ったこと。息子が迷子になって交番に駆け込んだこと。夫と飲んだビール。ゴツゴツした岩を降りていった美しいハワイのビーチ。
目を閉じると、まぶたの裏には、家族との思い出のワンシーンワンシーンが、鮮やかに蘇ります。
普段は機会がなければ、思いを寄せることもないでしょう。それでも、人の温かさや自信や生きる力は、そういう家族との思い出に根ざしているものなのです。
あなたの脳裏に浮かぶ思い出のワンシーンは何ですか?お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんとの思い出は?
家族とは、その連綿と続く系譜の中に、思い出を秘めて息づいているのです。そしてそれは、子へ孫へと繋がっていく。それが大切な生きている意味の1つなのです。親からもらったもの。子へと贈るもの。それは愛です。
『リメンバー・ミー』はそんな繋がりの奇跡、喜びへの賛歌のような映画でした。
5歳の息子にはちょっと難しいかなと1人で見に行きましたが、子どもと一緒に今度は吹替版を見に行くのもよいなと思っています。
ちょっと疲れちゃったなという時や、もちろんゴールデンウィークの家族のお出かけにも。
『リメンバー・ミー』おすすめです!