すべての女性に読んでいただきたい『産む、産まない、産めない』

この間読んだ本がとってもよかったので、ご紹介します。

『産む、産まない、産めない』甘糟りり子・著 

妊娠・出産・女性の生き方について

私自身、cutaという妊娠・出産・子育てメディアに1年ほど強い思い入れを持って取り組んでいたこともあり、また働くママのロールモデル的な扱いでお話をすることが多かったこともあり、女性の働き方や子育て、妊活などには以前から強い思い入れがあり、関連書籍は色々読んでいましたが、この短編小説集はたまたま平積み小説の中からふと取り上げたもの。

タイトルがドンズバストレートなので、ちょっと抵抗もあったのですが、帯にいいことが書いてあったので、興味を惹かれました。

「出産が女の人生のすべてとは考えないようにしませんか?」

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異なる立場のすべての女性への応援歌

結論、とってもよかったです。説教臭くない。産んで働く女性、妊活に苦しむ女性、高校生でできちゃった女性など、年齢も立場も全く違う女性がそれぞれの自分の苦悩のなかから、最終的に希望を見出していく話です。

素晴らしいのは、どれか1つの生き方のパターン(働くママ、独身キャリア、専業主婦など)を持ち上げるわけではなく、どんな生き方であれ、自分で本当に悩んで考えた先にある結論を生きていけばいい、という大きなメッセージなのです。

女性活用にスポットが当たるけれど

女性活用がもてはやされ、働く女性にスポットが当たるこの時代ですが、実は働く女性にとっても「産め、育て、働けって言われても全部できないよ!」という苦しみもあり、また、「子どもを預けてまで働いて、私は母親失格なのでは」と不安に思い、逆に専業主婦の方にとっては「働かなきゃダメなの?」と引け目を感じたり、独身の女性は「いつ結婚するか、いつ産むか」を悩み、子どものいない既婚女性は「子どもがほしい」と奮闘し、本当に誰も彼もが悩んでしまう要素があるこの時代。

産むということに関わる立場の違いは、なぜこんなにも女性を悩ませるのでしょう。

そんな問いに対する大きな回答の1つとなるような気がしました。

私は私の立場からしかこの小説を語れないですが、ぜひたくさんの女性に読んでいただきたいです!

あと男性も!